ありがとう。松が丘公園の遊具たち。

クリニック傍の松が丘公園にある遊具が撤去されてしまうという。
幼稚園の頃、初めてできた友達と毎日のように通った公園。
ロックなどないから登り切ったところで扉が内側からも開いてしまい、泣きそうなくらいこわかった観覧車はとうになくなっているが、
中2のとき女子とふたりで乗った甘酸っぱいサイクルモノレールや、
なんといっても名物桜並木のトンネルを2周する豆汽車も見納めだという。

またひとつ昭和の面影が去ってゆく。
でも記念イベントでは次の世代の子供たちが青空のもと、
いっしょうけんめい大道芸に見入っていた。

震災で崩れ、動かぬまま撤去となる遊具たちはさみしい限りで、
設置された線量計だけが真新しく、0.140マイクロシーベルトの値を示しているのが現況だが、
公園が閉鎖されたわけではないので、気を取り直す。

ありがとう。遊具たち。
昔は熊や猿や鹿もいた公園だよ。
なつかしい写真も園内に飾られ、
目をひいたのは観覧車にある「大黒屋」(いわき最大のデパートだった)の広告と、
いろとりどりのカラ―の象が回転する遊具だ。
なんというか、その象さんの、木でできているが故ぎしぎしときしむような感触を、
いま鮮明に思い出したよ。

「失われたときを求めて」ではないが、
あのペンキが剥げたようなカラーの象に乗っていた時の、
一番安全な遊具でもあったあの象にしか乗れず、
それでもこわくて象さんにしがみついていたときの、
まさにそのとき木のわくを握りしめた手触りを、
思い出すのです。

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