リストカットや自傷行為がやめられない・情緒不安定で衝動行為、大量服薬を認める

→境界型パーソナリティ障害、その他のパーソナリティ障害

空虚感や、急な気分の落ち込みなど、情緒の不安定をしばしば認め、暴言、暴力、大量服薬などの衝動行為、リストカットなどの自傷行為を伴いやすい病態を、境界例あるいは境界性パーソナリティ障害と呼び、治療についての手段や道筋が、検討、確立されてきました。もともと境界例、という言葉は精神病と神経症の境界、という意味合いで名付けられたものですが、現在パーソナリティ障害と呼ばれるこの病態を、かつては人格障害と呼んでおり、これにより疾患ではなく人格の問題と誤解されることも多かった経緯、実情があります。背景に、親や親密な他者から見捨てられることへの恐怖、不安を抱えていることも多く、こうした不安を己のものとして受容しながら、衝動を適切にコントロールするための薬物、精神療法を行ってゆくことになります。近年は、症状自体は軽減されている印象ですが、リストカットや自己破壊的な衝動行為に苦しむ思春期の患者さんも少なくないため、その背後にある、敏感すぎる他者との関係性や、否定的な自己像に対し、認知療法的なアプローチを試みることもままあります。なにより他者に支持される安心感や、承認されるよろこびを取り戻し、等身大の自分自身を受容してゆくことが大切になります。
パーソナリティ障害は、他に、自己愛性、スキゾイド、スキゾタイパル、依存性、回避性、反社会性、妄想性などにカテゴライズされており、それぞれ加療の枝葉は異なってきますが、安心感を取り戻し、素のままで主体的な自己像を受容、構築してゆく過程などの根幹は通底しています。

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