新しい年
初日の出に起きられず、
今年度は閼伽井嶽の初詣でスタート。
風のない晴天。
おみくじは
いつ以来か忘れてしまうほど、
数年ぶりの大吉。
2日、
富岡高校のサッカー2回戦は、
PKでの惜敗だった。
よく走り、
よく守り抜いた選手たちに拍手。
高校3年のラストゲーム。
同じくPK戦で涙をのんだ夏の日を、
昨日のことのように思い出す。
年を取ると、
「思い出は1枚の絵のように変化してゆく」
と書いたのは、
精神科医の中井久夫氏だっただろうか。
確かに記憶は、
前後も繋がりも
ときには真偽のほどさえ曖昧となってくるようだが、
不意に鮮烈な絵となり、
浮かび上がる。
最後のキッカーがGKにセーブされ、
相手選手が大喜びで抱き合っていて、
もう二度と
高校のあの狭いグラウンドを
走り回ることがないのだと思った瞬間、
涙があふれた。
いわき駅前のライトアップが今年も施され、
富岡高のピンクの応援メガホンと同じく、
富岡地区、夜ノ森の桜がイメージされた。
写真で表せないのが悔しいが、
ライトが2色になったぶん、
かなり鮮やかな輝きを見せる。
震災後、
誰も住めない、
入ることさえできない地域で、
桜は咲き続けていたに違いない。
震災直後に入学し、
3年間を福島市の避難先で過ごすことになった選手たちも
最後まで脇目を振らず、
練習に明け暮れていたに違いない。
日の出には間に合わなかったが、
福島の海、
太平洋は、
冬にこそが青く、
美しい。