何度も手を洗わないと気がすまない・確認してしまう・不潔が怖い
▼
→強迫性障害
何度も手を洗わなければ気が済まない。歯磨きや入浴に一時間ほどの時間をかけなければいられない。鍵や水道の蛇口を何度も確認してしまう。車に乗っていて、何かを轢いてしまった気がして、戻って確認しないと気が済まない。
強迫性障害とは、自分では不合理だとわかっていながらも、その観念から逃れられず、実際に確かめる行動や、過度に清潔を保持する行為を繰り返してしまうといった一連の症状に苦しむ病態です。
現実面での行き詰まりや、本来向き合うべき問題や不安、抑うつを回避する意味合いもあるのですが、こうした行為や思考への捕われは、日常生活に大きな支障を来たします。
完全主義傾向な、生来の気質による場合もありますが、突然にこうした症状に陥る場合も見受けられます。
治療としては、強迫症状に効果のあるとされている、抗うつ剤などの薬物療法と併せながら、強迫の程度を数値化し、やさしいものから少しずつ、強迫行動を行わないがための不安に耐えてゆく練習をするアプローチや、強迫症状を必要とした、本来の不安を見つめ、抱きかかえてゆくような精神分析的アプローチがあります。
少しずつよくなるケースもありますが、あるときを境に劇的に改善する(強迫を必要としなくなる)例もまれではありません。