気がつくと知らない場所にいる・記憶がとぶ・別の人格に支配されることがある

→解離性障害、解離性同一性障害

人は、強いストレスや、処理しきれない現実に曝されたとき、痛覚を含めた感覚や、意識自体を麻痺、あるいは変容させて、自らの心身を守るための機制を発動すると言われています。これが解離という防衛機制の正体です。幼児期から、この防衛機制をたびたび(無意識下で)利用せざるをえない状況で育ちますと、ストレス下で、意識がとび、行動の記憶が残らないという解離症状を示しやすくなります。ストレス下で意識が別の人格に入れ替わってその間の行動の記憶がないという解離性同一性障害(いわゆる多重人格)も、この症状が常態化した病態です。薬物療法、精神療法を用い、過去の痛みを整理、受容するとともに、ストレスに対する(比喩的な意味での)免疫力(いわばストレス耐性)をつけてゆく練習、たとえば記憶をとばすことなく現実に対処してゆける能力の育成などをしてゆくことになります。

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