食べることへの拒絶があり、極端に体重が減る・大量の過食、嘔吐を繰り返してしまう
→拒食症、過食症(摂食障害)
食べることへの拒絶、拒否を主症状とし、体重が極端に減少してしまう拒食症は、小学高学年から思春期の女性に多い疾患であり、治療の難しい病態でもあります。ボディイメージの障害を特徴とし、十分に痩せているのに当人にその意識(病識)がないため、るいそう(極端な痩せ)は加速し、最悪心身に過大な負担を来たし、死に至る場合さえあるのです。重度の場合は、薬物、精神療法に加え、入院による行動療法を併せて行うなどの介入を要します。
過食症は大量の食べものを一度に摂取することが習慣化した病態で、嘔吐や下剤乱用を伴うこともままあります。拒食の反動で現れることも多く、習慣、嗜癖化しやすいため、加療にはある程度の時間を要します。
両障害とも母親との関係を含む、家族病理を背景に持つ場合が少なくなく、幼い頃や学童期には親や他者から見て手のかからない「よい子」であった場合も多いのが特徴です。自らの感情を表出せず、我慢を繰り返して育ってきているんですね。治療では薬物療法に併せ、こうして抑圧してきた自らの感情(さびしさやつらさ)をありのままに表出してゆく練習を含め、少しでも対人過敏や、不安に耐えうる能力を育て、過食という行為に頼らず現実を生きてゆけるように試みてゆきます。