周期的な気分の浮き沈みがある・気分の高揚した時期と、落ち込む時期を繰り返す
→双極性気分障害(躁うつ病)
気分が高揚し、動作も活発になる躁状態と、気分が沈みこみ、動くことも億劫となるうつ状態を、繰り返して認めるような病態を、躁うつ病、あるいは双極性気分障害と呼びます。この気分の波が比較的大きく、明らかな躁病相とうつ病相を繰り返すタイプを双極性Ⅰ型、慢性的なうつ病相がつづくなかで、ときに軽い躁状相を認めるタイプを双極性Ⅱ型と呼び、それぞれ治療が異なってきます。単極性うつ病との鑑別が特に重要なのは、投与する薬剤や、精神療法的アプローチに違いがあるからです。双極性障害では抗うつ剤に加え、気分調整剤の投与が不可欠になります。躁、うつのそれぞれを治療するというよりは、いかに気分の波自体をおだやかなものにしてゆくか、をまずは第一に考えてゆきます。ゆっくりと回復し、おだやかで余裕のある状態を維持するように、努めます。最近の私の印象では、これまでパーソナリティ障害や摂食障害に分類され、治療が滞っているようなケースの多くの例で、ベースにこの気分障害が認められることが非常に多く、より複眼的な視点での治療が必要であると感じています。