よだかの星

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6月17日まで、いわき市立美術館で、「宮沢賢治、詩と絵の宇宙」展が行われ、
最終日には、高橋源一郎氏の講演があると聞き、出かけた。
定員40名のセミナー室は、立ち見も入れて120名の大盛況。
氏は、胎教で、息子さんに賢治の詩を半年以上も朗読して聞かせたこと、
自給自足の理想郷、イーハトーブの実現について、話をされた。
息子さんは歩くより早く、生後9カ月で、「パパ、ドア、あけて」と言ったらしい。
驚きである。

賢治の生まれる数ヶ月前に、三陸明治地震があり、死の直前には昭和三陸地震があったということ。
数多くの飢饉や、自然災害の辛苦の果てに、「雨ニモマケズ」が生まれたということ。
「ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ」
人の無力が身にしみる。

どっどど どどうど どどうど どどう
賢治には、自然そのものの音が、ありのままに聞こえていたのだろう。

人類バンノウ等という昭和の幻想も色褪せ、
平成にイーハトーブは来たりうるのか。

賢治は、いまの世に、どんな音を聴いているのだろうか。

子どもたちの絵描く、よだかの星は、ちからづよかった。

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