夏井川の夕暮れ

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火曜日の勤務先である舞子浜病院から帰る途中、夕闇を映す夏井川の美しさに、車を停めた。
小さい頃、自転車で何度も通ったこの川べり。
変わらぬ景色。
氷点下の空に川面が透きとおり、またたくのは一番星。
星をめざすように、ペダルを全力でこぎ続けた頃。
ちぎれるほど耳たぶが冷たくなったものだ。

白鳥の子育ても仕上げの時期で、思春期?の成鳥が飛行練習を終え、身を休める。
白の衣装をちょっとだけ不器用に折りたたむ。
あたりまえだが白鳥はこの寒空のなか、夜を明かす。
寒くないの?
問うていた息子も、もうすぐ声変わりだ。

暗い闇をしずかに受け容れ、白鳥たちは身を寄せ合う。
午後5時の放射線量を告げる男の声が、カーラジオから流れる。

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