治療について

当院の治療について

Posted in 治療について on 2月 5th, 2011 by ichiro – Be the first to comment

精神あるいは心身症状が現れているということには、なにかしら理由があります。
多くはストレスなど外的な変化に、これまでのご自身の対処の仕方では間に合わないような場合に発します。
厳しい状況に追い込まれ、なんとかしようとするが、うまくゆかず、逆に自分を追いつめてしまい、どうにもならない悪循環に陥っているようなときです。
治療(精神療法)では、お話をうかがうことにより、さしせまった状況を見定め、この悪循環を解き、心身の余裕を取り戻すお手伝いをします。
そのうえで必要があれば、病状に見合った治療薬をご提案します(薬物療法)。
薬物療法は、症状に対して、対症療法的な意味合いも大きいですが、最近では、より副作用の少ない、すぐれた薬剤が次々に開発されています。
とくに症状が重く出ている場合などには、薬物療法が重要な選択肢のひとつとなります。

精神療法

Posted in 治療について on 2月 5th, 2011 by ichiro – Be the first to comment

まずは過去から現在に至る、あなたの置かれてきた状況、気持ち、困っている症状をお話しください。
あなたの気持ちを想像しながら聴かせていただきます。
人に話すだけでも驚くほど気持ちが楽になるものです。
そのうえでどうすれば問題が解決するのかを、話し合います。
ひとりで考え込むより、ふたりで話し合ったほうが、よい考えを思いつき、問題解決の手がかりが見えてくるものです。
もちろん話したくないことは、初めから無理に話す必要はありません。
明るく、安心できる話し合いのなかで、症状の改善をめざすための道しるべ(ヒント)をお伝えし、
着実に治療をすすめてゆきます。

薬物療法

Posted in 治療について on 2月 5th, 2011 by ichiro – Be the first to comment

症状が重く出て生活に支障を来たす場合、心身の苦痛が大きい場合、あるいは疾患の種類により、薬剤による加療が最優先である場合(たとえば統合失調症)などは、薬物療法を導入します。
薬剤について期待される効果、副作用についての説明を行ったうえで、最新の医学知識と、30年近い精神科医としての経験に基いた、最適な薬物療法を選択し、実施します。
最近は、より副作用がすくなく、効果も多岐にわたる、さまざまな薬剤が日々開発されています。
もしご自身で得た知識で、使ったみたいお薬があれば、ご相談ください。希望により漢方薬も使用します。
これまで、あるいは現在服用している薬剤についてなど、疑問があれば、何でもお気軽にお尋ねください。
すべての薬物療法は、十分なご相談のうえで、服用される方の意思を尊重し、使用してゆきます。

カウンセリング

Posted in 治療について on 2月 5th, 2011 by ichiro – Be the first to comment

当院では、精神療法、薬物療法と併せて、臨床心理士によるカウンセリングをおすすめする場合があります(現在、カウンセリングの新規受付は、行っておりません)
うつ症状や、強い不安を抱える方のなかには、自分自身や外界のできごとに対して、常に否定的な見方でしかものごとを捉えられない習慣が身についてしまっているケースが散見されます。これでは外的なストレスが去ったあとも、自らのものごとの捉え方、感じ方を変えない限り、症状が再発しやすく、慢性化しやすい状態といえます。
カウンセリングは、こうした否定的な見方を変えてゆくトレーニング(認知行動療法)と、症状の意味を解釈してゆく技法(精神分析的技法)とに大きく分けられますが、必要に応じ、これらの手法を組み合わせて加療してゆくことになります。
具体的には、児童、思春期の患者さんを中心に、ご希望をおうかがいしたうえで、1回10~20分ほどの個人面接を中心に、素のままの自己表出を促す形で行う場合が多いです。適応のための工夫を話し合ったり、必要によってはトランプやカードなどの、遊戯を用いる場合もあります。
また、カウンセリングとは違いますが、何人かのグループで、社会生活場面を想定したトレーニング(SST)や、心身をリラックスさせる心身操作法(臨床動作法)や呼吸法の練習なども、随時プログラムとして開催してゆければと思っています。

(現在、カウンセリングの新規受付は、原則として行っておりません。ご了承願います)

予防心身医療

Posted in 治療について on 2月 5th, 2011 by ichiro – Be the first to comment

心身の症状というものは、わけもなくある日突然に、という場合はほとんどなく、なにかしらの前兆や、軽度の不調(肩こりや頭痛、めまいなどの自律神経症状)、心理的なゆきづまりが先に立って見られるものです。
すこしでも早く心身の不調に気がつき、気分転換をしたり、自らの生活習慣を変えたり、信頼できる人(あるいは専門家)に相談できることが大切です。他の身体疾患と同様、早期発見、早期治療が重要です。
さらには普段から自らの身体の声に耳を澄ます練習をしたり(何が心地よく、何がそうではないかを見きわめてゆくことです)、無理に自分を追いつめていないかを振り返り、ある程度こころに余裕を保っていることが大切です。
こうした日々の過ごし方こそが、心身障害を防ぐために最重要であることを多くの方に知っていただくため、当院では、身体の緊張のほぐしかたを中心に、各種ストレッチやヨガ、呼吸法、アロマテラピーなどを積極的に取り入れた、予防心身医療に関するプログラムを、随時開催したいと考えています。

訪問診療(往診)

Posted in 治療について on 2月 5th, 2011 by ichiro – Be the first to comment

在宅や、施設訪問などの往診については、可能な限り、ご相談に応じたく思っています。
まずは当院担当まで、ご連絡ください。  
  
※申し訳ございません。現在往診は行っておりません。

自由診療

Posted in 治療について on 2月 5th, 2011 by ichiro – Be the first to comment

保険適用外の自由診療(自費診療)になりますが、50分単位で時間をかけての精神療法も可能です。
自由連想法、夢分析を主に用いた、精神分析的なアプローチを行います。
精神疾患の治療に限らず、自分を見つめなおし、葛藤を整理し、自己実現をめざしたい方も対象とします。

*現在「自由診療」は、休止しています。ご了承願います。

芸術療法、演劇療法、園芸療法など

Posted in 治療について on 2月 2nd, 2011 by ichiro – Be the first to comment

音楽を聞く。演奏する。描画する。箱庭に取り組む。役割を決めて音読する。とりあえず身体をうごかしてみる。
もちろんそれぞれの分野に精通した先生をお招きしますが、~療法という、かたくるしいものとは考えず、セミナーやワークショップ形式などで、フレキシブルに取り組んでゆければと思っています。
草花を愛でる。育てる。収穫する。
海を眺める。歩く。深呼吸する。
生命としての、自然なよろこびを守り、育てる試みを実践したいと思っています。

こころの発達、成長理論(精神分析的な考え)について

Posted in 治療について on 1月 29th, 2011 by ichiro – Be the first to comment

ひとのこころは、多くの出来事や他者との出会い、さまざまな苦悩や試練によって、発達、成長してゆくものです。

別れ、理不尽なできごと、よろこび、苦しみ、嫉妬、敵意、挫折、達成。

不平等で、思い通りにならないことが常であるような、ひとの一生において、無理に明るくふるまったり、他人のためだけにがんばったり、ひたすらポジティヴに考えたりすることは、不可能です。

たとえば嫉妬や敵意などの、ネガティブな感情に苦しんだり、ときに誰かを傷つけたり、投げやりな行動をしてしまったりしても、不思議ではありません。

大切なことは、自分の身に起こるあらゆるものごとを、受け容れ、消化してゆくことです。矛盾した考え、他者への怒り、むなしさ、さみしさ、やるせなさ。そうした一見ネガティヴと捉えがちな感情こそを、しっかりと受け留め、けっして否定せず、こころの発達、成長に欠かせない、大切な糧として、吸収、消化してゆく。

並大抵のことではありません。

でもそうした感情を否定、否認するがゆえに、多くの心身症状、解離、強迫、自傷、依存など、あらゆる症状があらわれてきます。しかし、大丈夫です。少しずつでもこころに余裕ができれば、自らの問題(症状)を、自分自身のものとして、引き受けられるようになってゆきます。この過程で、不安や、抑うつ、身体化症状が一時的に現れることも多いのですが、心配ありません。これはある意味、ひとつの通過儀礼的な症状で、自分というものを受け容れるための、回復の準備が整ってきている証拠なのです。やがて、矛盾した考えや、むなしさ、怒りなど、ネガティブともいえる感情も、消化(昇華)され、自らの心身のうちに、統合されてゆきます。もちろん、行きつ戻りつですが。
  
そしてやがては自然なよろこびや楽しみを感じ取ってゆける、生き生きとした心身の回復をめざします。
  

こころの発達、成長に関する私の考え方は、以上のようなものです。