夏井川
Posted in コラム on 3月 9th, 2011 by ichiro – 2 Commentsひまのあるときは白鳥を見にゆく。
いわき市内であれば校歌には必ず歌われる夏井川に、たいら市街を流れる新川がそそぐ場所だ。
灰色の毛はずいぶん生え替わっているから、巣立ちの日も近いのだろうか。
「先生、やりました。合格です」
「だめでした。でも精一杯やりましたから、しょうがないです」
友人との葛藤や、身体の症状。
思春期ならではの悩みに苦しむ、青年たちの吉報や、
さまざまの知らせに一喜一憂するのも、この季節のことだ。
雲は自由に形を変え、
たえまなく、流れてゆく。
もう一ヶ月もすれば、白鳥たちも、
一羽残らず、旅立ってゆく。
(ひとはそう簡単にとべるわけではないのだけれど)
母校の歌は、忘れないものなんだな。
よい思い出ばかりではないけど、
つまづいたとき、
帰ってくる場所は、
ここにあるのかもしれない。