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3月11日

Posted in ブログ on 3月 12th, 2014 by ichiro – Be the first to comment

3年が過ぎた。
    

あの日、
被災した舞子浜病院前の海は、
何事もなかったように、
青く輝く。
  
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いまもなお、
仮設暮らしの生活がつづき、
よほど張り詰めていたのだろう。
喪ったものごとの大きさから、
いまになって、
はじめて心身の異常を来たす方々も多い。
    
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外勤の帰りに
久ノ浜に立ち寄ると、
鎮魂の花火が行われていた。
    
まだまだ寒い海風の夕暮れ、
地元の小学生なのだろうか。
子どもたちが、
津波被害に遭ったむき出しの土地で、
花火が打ちあがるたびに、
歓声をあげる。
まずは大人たちの用意した、手作りの仕掛け花火だ。
月と、木星、星々がすべての様子を見守っている。
    
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想像を超える苦しみに見舞われた土地で、
しかし子供たちの歓声が澄み切っていて、
ちょうど打ち上げ花火の残像のように
耳に残った。
  
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「ありがとうございました」
最後の花火が打ち上げ終わると、
護岸に陣取る花火師たちに、
お礼を述べる。
頼もしい声だ。
希望という言葉をやすやすと使うつもりはないが、
このいわきの地が、
子どもたちの成長を見守り続けられる場所であることだけは、
失いたくない。

雪かき、雪割り、雪投げ

Posted in ブログ on 2月 16th, 2014 by ichiro – Be the first to comment

2月9日に3時間かかって、
取り除けなかった駐車場の雪を、
11日に再度、チャレンジ。
 
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しかし雪はスケート場なみの氷の板で、
雪かきというより、
雪割りの様相。
アスファルトと、
氷の板のあいだにスコップを差し込み、
テコの原理で跳ね上げ、
氷板を割ることのくりかえし。
割った板は、
放り投げ、
粉々にして、
隅に寄せる。
 
一気に身体以上にもなる、
大きな板に割れ、それを持ち上げ、投げ捨てると、
一息にアスファルトの面積が広がるからうれしくなる。
がハンマー投げ室伏の気分でエイヤっと投げると、
ひとつの雪板が重ければ重いほど、
両腕と腰は悲鳴を上げる。
   
途中、建築現場での経験の長い、
Aさんが通りがかり飛びいりで手伝ってくれ、
彼が、左手をくの字に曲げ、
腰を入れ、上方から氷面にスコップを突き立てると、
面白いように次々に氷は割れ、
アスファルトの面積は加速して増えていった。
  
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予期せぬ助っ人、
ありがたし。
昨日は昨日で診察中に、家族を車に乗せて来院された旦那さんが、
この雪割りを手伝ってくれた。
ほんとうに、感謝です。
   
普段あいさつもあまりなかった、
隣近所で、
いっせいに雪かきに精を出す連帯感から、
雪かきはつらかったけど、
自信になったと、
対人不安の患者さんも言ってくれた。
そんなありがたみを思いつつ、
雪を投げ飛ばす。
腰をさすりさすり。 
 
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すると
雲間から
夕の太陽が氷を溶かし、
これまでスコップの刃がたたなかった部分にも割り進めるチャンスが生まれる。
もうひとがんばり。
  
2時間のつもりが3時間半。
ようやくほぼすべての部分のアスファルトが見え、
吉野屋の牛丼を買って帰った。 
 
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さらなる雪の予報には
ギクリとするが、
来るならまた来てみなさいと。
牛丼を頬張る。

 
 

 

サンシャインマラソン中止

Posted in ブログ on 2月 10th, 2014 by ichiro – Be the first to comment

晴れ間も見えた日曜日。

このところごはんを控え、
連日の腹筋20回にて腹回りをちょっとはしぼり、
ようやく2㌔体重を落としたが、
サンシャインマラソンは
無念の中止。

20年ぶりの大降雪ではやむなし。
上村愛子さんのがんばりをテレビで観る。
   
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クリニックの雪かきをしにゆくが、
外に出てびっくり。
手のひらを突くと、
縦にすっぽりと埋まるほど。
いわきで20センチ近い積雪は経験がない。
車止めも何も見えず。
手持ちの雪かきもすぐに壊れてしまい、
ホームセンターに行くが、
「朝で全部売り切れました」と。
男性スタッフを呼び、
とにかく、
掻いた。

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スタッフの持ってきてくれた
ブルドーザーがたの雪かきがすばらしく(左側のもの)、
気持ちよくかけるのだが、
あっという間に暑くなり、
腰も痛い。
  
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通路と入口をかき、
しかし駐車場は、
一区画で30分近くかかってしまい、
雪だるまでもつくろうなどと、
安易な気持ちも吹き飛ばされる。
   
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普段はまったく意識しないが、
(雪の少ない)浜通りに生まれたことのありがたさを思いながら、
なんとか3台分を確保。
やれやれ、
ほんとに腰が痛い。
  
また来年か。
1年後には、
ひとつ年を経て、
フルマラソンの完走はさらに難しくなるだろうが、
やるしかないか。
オリンピック選手のすごさを見て、
そんなふうに思う。

サンシャイン間近

Posted in ブログ on 2月 2nd, 2014 by ichiro – Be the first to comment

いよいよいわきサンシャインマラソンも間近で、
先週日曜は、
平から小名浜までの14キロを走ってみた。
    

曇り時々晴れの空。
風はつよいが北風なので、
追い風になる。
     
途中、中学生くらいの男子3人が横並びに歩道を歩いていて、
ひとりが振り向き、
後ろから私が来ているのをわかっているのによけてくれず、
一瞬むっとした気持ちになったが、
ああ、このくらいの年代は、よけるなんて友達の手前、少し格好わるくて、
よけたくても強がってよけなかったのだろうかとも考え直し、
先へ進んだ。
   
   
すると〇〇電気の駐車場出口で、
係りの人のゴーサインで渡ろうとすると、
不意に車が突っ込んできて、
ひかれそうになった。
どきりとしたが、
係りのおじさんが
「本当にすみません」
「マラソン、がんばってくださいね」
と思いもかけない髭面の笑顔で励ましてくれ、
元気も出る。
  
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もうすぐ小名浜、
椰子が植えられ、
東北のハワイである。
     
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中学のとき、
この坂を越えた小名浜一中でサッカーの試合があり、
中体連の大事な試合だったというのに、
わずか200円ほどのバス代をけちり、
自転車で行って、
疲れて走れず負けてしまった。
  
走っているとヒマなので、
そんなことを思い出しているうちに、
アクアマリンが見えてくる。
  
本番はこの3倍の距離か、
なんとかゴールまで
たどりつけるとよいのだけれど。
  

「夢」

Posted in ブログ on 1月 26th, 2014 by ichiro – Be the first to comment

土曜日は、いわきアリオスにて、
金澤翔子さんの席上揮毫を拝見した。
翔子さんは、
ダウン症でありながら、書家として活躍され、
このたびアリオスの檀上では、
「夢」という字を披露してくれた。
    
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小さな身体で、
渾身の、
一字。
    
勢いのある、
凄まじい字だ。
    
ときには25㌔の重さの筆で、
5メートル四方の書さえ、描くという。
   
母親の話によれば、
思春期に父親を亡くすなど、数々の苦労もありながら、
ひたすらに書を書き続けたという。
そんな魂の宿る、
一字なのかもしれない。

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檀上の彼女は、
にこにこと、
笑顔を絶やさず、
「夢は?」とインタビュアーに問われると、
「30歳になるまでに、一人暮らしすること」
と応えていた。
  
最後には
満席の観客を前に、
「まるまるもりもり」
のダンスを披露してくれた。
   
母親によれば
彼女は知能が高くはないから、
うまく書こうとなど思っておらず、
ただ相手をよろこばそうと
書を書いているだけなのだという。
    
ダンスはBGMの調子がわるく、
何度も中断するハプニングがあったが、
そのたび悔しそうに、
何度もやりなおしてくれる彼女の姿に、
会場の手拍子がひとつになった。
    
決してうまく見られようと思っておらず、
踊ること自体が本当に楽しくて踊っているだけという、
そんなダンスは実に楽しそうで、
忘れかけている大切な何かを、
思い出させてくれる。
   
きれいごとをいうつもりはないが、
私は身近にダウン症の子供たちを多くみる環境で育ったこともあり、
彼らの笑顔が大好きである。
勝手な言いぐさであることを承知でいえば、
ときに本当に、
救われるのだ。
   
出口であいさつできる機会に恵まれ、
感謝を伝え、
手を差し伸べると、
にっこりと、
笑顔で握手に応じてくれた。
25㌔の筆を持つというのに、
その掌が、
思いのほか小さなことに、
驚かされた。
 

新しい年

Posted in ブログ on 1月 7th, 2014 by ichiro – Be the first to comment

初日の出に起きられず、
今年度は閼伽井嶽の初詣でスタート。
 
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風のない晴天。
おみくじは
いつ以来か忘れてしまうほど、
数年ぶりの大吉。
 
2日、
富岡高校のサッカー2回戦は、
PKでの惜敗だった。 
よく走り、
よく守り抜いた選手たちに拍手。
 
高校3年のラストゲーム。
同じくPK戦で涙をのんだ夏の日を、
昨日のことのように思い出す。
 
年を取ると、
「思い出は1枚の絵のように変化してゆく」
と書いたのは、
精神科医の中井久夫氏だっただろうか。
確かに記憶は、
前後も繋がりも
ときには真偽のほどさえ曖昧となってくるようだが、
不意に鮮烈な絵となり、
浮かび上がる。

最後のキッカーがGKにセーブされ、
相手選手が大喜びで抱き合っていて、
もう二度と
高校のあの狭いグラウンドを
走り回ることがないのだと思った瞬間、
涙があふれた。
    
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いわき駅前のライトアップが今年も施され、
富岡高のピンクの応援メガホンと同じく、
富岡地区、夜ノ森の桜がイメージされた。
写真で表せないのが悔しいが、
ライトが2色になったぶん、
かなり鮮やかな輝きを見せる。
   
震災後、
誰も住めない、
入ることさえできない地域で、
桜は咲き続けていたに違いない。
 
震災直後に入学し、
3年間を福島市の避難先で過ごすことになった選手たちも
最後まで脇目を振らず、
練習に明け暮れていたに違いない。
  
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日の出には間に合わなかったが、
福島の海、
太平洋は、
冬にこそが青く、
美しい。

 

大晦日

Posted in ブログ on 12月 31st, 2013 by ichiro – Be the first to comment

大晦日は、
さはこの湯まで、
定番コースの走りおさめ。
湯本まで、
平から8㌔ちょっとの道のりを走る。
今年も何回かこの川べりで、
美しい
カワセミの姿を目撃しているのだから、
捨てたもんじゃない。
  
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行きつけである、
「さはこの湯」は、
湯本温泉のなかでもひときわ硫黄のにおいがつよく、
熱いのも好きな自分にはぴったりの湯だ。

今年は毎週のように通ったから、
たとえ一回220円ではあるが、
来年こそは、
回数券を買いたいと思う。
 
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これは冬至のときの写真ですが、
古めかしい受付も、
風呂のあとの牛乳も完璧である。
     
ちょうど今日は
高校サッカー選手権の
富岡高校の試合がはじまろうとしていた。
震災後
福島市に避難しながらも、
鍛え抜かれた、
選手たちの勇姿には励まされた。

このなかに中学のサッカー部で
コンビを組んでいた、
親友の息子さんもいるという。
うれしい限りだ。
  
よき年を迎えられますように。

いわき七峰縦走

Posted in ブログ on 12月 8th, 2013 by ichiro – Be the first to comment

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早朝の湯の岳を出て、
  
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紅葉の路。
  
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沢で食べるおにぎりのうまさ。
  
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今年は
見えない敵も気にせず、
湧水のうまさも
堪能した。

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晴天の水石山。
橇でしょっちゅう滑り降りた山頂からは、
湯の岳から縦走してきた道のりと、
いわきたいら市内から太平洋までが、
一望できる。
 
今年は、
一回り以上も若い、
当院男性心理士と歩いたから、
張り切りすぎて、
筋肉痛が
3日も続いた。
  
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ゴールには、
山岳協会の美女も待っていてくれる。
途中の「ゆずレモン」も最高でした。
感謝です!

人には人の掟がある。

Posted in ブログ on 12月 8th, 2013 by ichiro – Be the first to comment

遅ればせながらのアップであるが、
サケは今年も遡上していた。
  
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4年前に
旅だったサケは、
母なる夏井川に、
戻り来た。
 
彼らは、
汚染水の現実を、
知っているのだろうか、
どうなのだろうか。
 
あるいは知っているのかもしれない。
彼らの身体的な、
現実として。
  
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放精を終えたサケたちは、
静かに最期のときを迎える。
  
サケにはサケの掟がある。
人には人の掟がある。
  
けっして冒してはいけないはずの、
確かな掟が。
  

そんなことを、
想った。

サンシャインマラソンへ

Posted in ブログ on 11月 4th, 2013 by ichiro – Be the first to comment

このところ忙しさにかまけて、
運動不足で腹回りが非常事態!
 
このままではいけないと、
2月にいわき市で行われる
第5回サンシャインマラソンにエントリーし、
走り始めた。

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今日は、夏井川から新川を回り、いわきへ戻る9㌔コース。
午後の陽が射すと、ススキも輝く。
 
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ゼイゼイしながら走るのだが、
途中、冬眠前の子蛇や、
小さな生き物たちに出会うことができ、
足を止め、
自分も楽をする。
 
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さくらの魅力は、
春だけではない。
色づきはじめた落葉前は、
イチョウやモミジにも負けず、
鮮やかだ。
 
  
今日11月4日は、
15歳のとき、
毎日手紙の交換をしていた級友の、
命日だ。
今年もまた1年が過ぎた。
あの日、
「季節の中で」をみなで唄い、
お別れした日は、
鮮明だ。

夏の終わり

Posted in ブログ on 9月 1st, 2013 by ichiro – Be the first to comment

      
この夏、四倉海水浴場が、震災後はじめて海開きとなった。
                                                                


                             
沖縄の友人を案内すると、
ひとあし入り、すぐに飛びあがり、
その冷たさに驚いていたが、
                                                                         
真夏の太陽のもと、
子供のころから、
この水温が大好きだ。

                                                                           

炎天下に、
頭からしゃっきり
トマトかキュウリみたいに冷され、
身も心も透き通るように、
気持ちよい。
                                
                   


                                  
         
そして四倉といえば、
砂浜です。
ひろい、ひろい、日本一。
砂もとてもきめ細かくて、
だれでも子供なら、すぐさまサンドアーチストになれる。
水際に、
海水の浸食に負けない堤防とトンネル、
自分だけの城をつくるのだ。
               
                       

                                                                               
平では七夕祭りが例年以上に
盛況で、
                                                                                                  
お盆にはところどころで、
じゃんがらの鐘が鳴り響く夏。
                                            
         


                                   
 
夏井川の灯篭流しも、
鎮魂の花火も、
無事終わった。
                                                                                         

汚染水漏れがレベル3の何兆ベクレルと実感のない
数字で示されても、
ぴんと来ず、
テレビを消し、
じゃんがらの鐘の音、彼岸へのともしび、
しゃっきりとした水の冷たさ。
                                  

自分たちの
自分たちに
受け継がれる感覚は、
幾つになっても変わりようがなく、
生きて在る限り、
いやそれから先もきっと
この土地とともに、
損なわれはしない。

岡本太郎展

Posted in ブログ on 6月 11th, 2013 by ichiro – Be the first to comment

磐梯山を望む湖のほとり、
西洋の絵ハガキと見間違えるほど、
さっそうと建つ洋館が、
諸橋近代美術館だ。
常設されるサルバトールダリの作品の豊富さでも知られる美術館に、
あの「岡本太郎」展が来ているという。

 

  
「太郎」は、私の大好きな画家のひとりで、
大胆な構図、ユーモアあふれるデザイン、生命そのものの発露を思わせる色遣い――
絵画はもちろんだが、放たれる言葉も珠玉なのだ。
「瞬間に、生きろ。」と題された展覧会の、
こんな言葉に圧倒される。

 
「ところで一般に『爆発』というと、ドカンと音が響いて、物が飛び散り、
周囲を破壊して、人々を血みどろにさせたりイメージは不吉でおどろおどろしい。
しかし、私の言う『爆発』はまったく違う。音もしない、物も飛び散らない。
全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。それが『爆発』だ。
人間は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ。
いのちの本当のあり方だ。」
 

  
「うつ」というのは、自然な生命力の発露が妨げられている状態であるから、
苦しいときが、積み重なっても、
なんとか本来人が持ちうる、
自然な生命力の発露を、
見守りたい。
 
そんなふうに、
太郎から、
磐梯の山容から、
生命そのものを、
授かりたい。
 
「岡本太郎展」は、
6月30日まで。 
もちろん、ダリと精神分析の秘話も、
随所に散りばめられています。
 
 

期せぬよろこび

Posted in ブログ on 4月 27th, 2013 by ichiro – Be the first to comment

火曜日、ちょっとした時間ができて、クリニックまわりを散歩。
今週末の、子鍬倉神社(通称けんしゃ)の祭祀のノボリに誘われ、階段をあがると、
 

 
期せぬさくら
一足おくれの八重桜
 

 
うれしい
 
小一時間あるので、
お昼休みの熱気うずまく、小中学校のまえを横切り、
飯野八幡宮(通称はちまんさま)へ。
 

 
こちらにも八重桜があったとは。
いま発見!
子どものころには気づかないものだ。
鼻を寄せると、
ほのかに香る。
小6のとき、写生会の場所がここで、
神宮を組む、寄木の一部分だけを木目まで詳細に描いた自信作を、
ほめられるどころか、
「お前は馬鹿か」
と阿呆あつかいされたことを思い出す。
 
クリニックへの戻り際、
いつもと違う小路に入ると、
これまた、とあるノボリを発見。
低い暖簾の古めいた食堂。
こんなところにあったとは。
おそるおそる注文すると、
お年を召されたご夫婦が、
丁寧に食事をこしらえてくれた。
 

 
初夏を思わせるあたたかさに誘われ、
まだ4月だが、
今季初の冷やし中華。
 
うまい!
 
期せぬよろこび
ありがたし

松が岡公園、満開です。

Posted in ブログ on 4月 6th, 2013 by ichiro – Be the first to comment

当院の幼樹(さくら)も昨年に続き、
ぶじ開花し、
 

 
低気圧接近の予報を受け、
診療のあと、公園の坂を駆け上ると、
松が岡のさくらも満開だった。
 

 
遊具が取り払われた公園は、
広々と、
どことなく大人びて見え、
少しさびしいような気がしないでもないが、
あの、トンネルをくぐるメインアトラクション、
豆電車の軌道の跡を、
ぐるりと辿る。
  

 
と坂下の広場に遊具を見つけた。
これは隣の砂場とともに、
自分が幼児のころからこの場にあったものだ。
間違いなく。
するすると、
この赤いまんなかのぼうをつたって下りる遊びを、
繰り返したことを思い出す。
誰もがみな、消防士になりきって。
  

 
40年。
何度か塗り替えられたことだろう。
もうすべり下りることはできないが、
ありがたい。
散りゆく花びらにこころを奪われることなどなかったころが、
あまりにも遠く、
なつかしい。

三回忌~復興エイサー

Posted in ブログ on 3月 10th, 2013 by ichiro – Be the first to comment

9日には、いわき市平古鍛冶町にある菩提院で、
東日本大震災の3回忌法要、追悼の祈りが捧げられた。 
                    

ここ菩提院は、いわきからじゃんがら念仏踊りを琉球に伝えたとされる
袋中上人が開山した寺院として知られ、
その縁もあり、エイサー隊が当日は駆けつけ、
供養に参加してくださった。
       

菩提院は当クリニックから
踏切を渡ってすぐのところに位置しており、
私も自転車で、向かった。
   


   
南無阿弥陀仏。
何もできない、歯がゆさのなかで、この2年間、お聞きした、
多くの方々の苦悩、悲しみを、思った。
     


    
今日10日には、いわき市が誇るエイサー隊
「いわき美らティーダ」が、復興したばかりの道の駅「よつくら港」で、
エイサーを披露してくれた。
強風ではあったが、沖縄の空を思わせるほどの晴天のなか、
3歳の子も、華麗な衣装で、
パーランクー(小さな太鼓)を叩いている。
    


  

四倉、久ノ浜の海岸線も、津波で甚大な損失を受けた。
20㌔北は、警戒区域で、いまだに立ち入りさえ許されていない。
  

   
クリニックすぐ近くの菩提院を開山した、
袋中上人は、経を学びに、中国に渡ろうとして、
遠く琉球にたどり着いた。
あやまって漂着した琉球で、
故郷の踊りを、広めてくれた。
  
海は、
原発の南に位置するこのいわきから沖縄まで、
遠くても、確かに、つながっている。
  
空も、
どこまでも限りなく、つながっている。
  
もちろん、
生命も。
        
        

すごい映画でした。

Posted in ブログ on 2月 12th, 2013 by ichiro – Be the first to comment

いわきぼうけん映画祭の後夜祭かつ、
ポレポレいわき映画祭前夜祭りを兼ねた企画で、
「この空の花~長岡花火物語」が、いわきアリオスで上映された。
兼ねてから観たかった映画でもあり、
大林宣彦監督のトークショーもあるとのことで、
強風のなか、よろこびいさんで出かけました。

映画は、戊辰戦争からパールハーバー、
太平洋戦争末期の長岡大空襲、広島、長崎の原爆投下、
アメリカによるビキニ環礁での水爆実験、そして東日本大震災。
 
時間と空間、個人や国籍を超えて、圧倒的な情報量が、
たたみかけるようにスクリーンに投影される。

あたかもそれは、自由連想のようで、無意識の連鎖のようで、
現代を生きる自分たちが、目を背けずに向き合わなければならない、
目を背けようとすればするほど、決して背けるわけにはいかない、
現実よりも、リアリティのある、
悲しくも、豊穣で、重層的な世界でもあった。
              

ちょっと何を書いているのかわからなくなってしまった。
大林監督の無意識が、戦後を生きる私たちの無意識、
さらにもっと大きな意味での無意識につながるとでも言ったらよいか。
       

上映のあと、監督は予定より30分オーバーし、
90分間も、熱く、想いを話してくれた。
想像力を喚起すること。
鎮魂の長岡の白い花火が、
姉妹都市となったホノルルの、
パールハーバーでこれから打ち上げられようとしていること。
子どもたちにこそ、この映画を観てほしいこと。
映画を観終わった5歳の子が、
「ぼく、生きているの?」
と問うたということ。

そして主催した「いわきぼうけん映画祭」と
「ポレポレいわき」の太っ腹ぶり。
160分の映画と90分のトークショーが1000円で観れただけでなく、
後日、このチケットで、
あと3作の映画を、
いわき駅前の映画館「ポレポレいわき」で、観ることができるというのだ!
しかも単館でしか観ることのできない、
垂涎の映画がそろっているではないか。
ありがたし。
これでこそ「ポレポレ映画祭」である。
来週も時間を見つけ、映画館に行かなくては、である。

さらに暗くなった帰りには、
観覧者全員、
こんなお菓子をいただいた。
長岡から上映の応援にかけつけた、青年団によるものだ。
ありがたし。
長岡の、
真っ白い花火が目に浮かぶ。
アリオスを出た、
澄んだ夜空には、
オリオン座がくっきりでした。

第4回いわきサンシャインマラソン!

Posted in ブログ on 2月 10th, 2013 by ichiro – Be the first to comment

今日、10日のいわきは、
よく晴れた暖かい一日でした。
昨年同様、申し込みが遅れ、
第一回以来のサンシャインマラソンへの出場を逃しており、
(2年連続で参加者多数のため、早々に応募が締め切られた)
仕方ないので、ひとり、
いわきから湯本、さはこの湯まで走り、
駅前のA家食堂で沖縄そばを頂いていると、
すでに42.195キロを走り終えた女性ランナーが、
やはり沖縄そばを食べにやってきました。
さわやかな笑顔、
ずいぶん速い。
3時間半で走破したと。
店内も盛り上がる。

うん、来年こそ忘れずに応募して、
参加したい。
店を出ると、
湯本駅前の足湯では、
走り終えた多くのランナーが
疲れた足を放り投げて、
ゆんたく(沖縄語で仲間同士が談笑すること)
していました。
晴天の、
冬のいわきも、
なかなかホットです。

遅ればせながら、

Posted in ブログ on 1月 6th, 2013 by ichiro – Be the first to comment

平成25年を迎えました。
クリニックすぐ目の前の、
子鍬倉神社(通称けんしゃ)へ初詣。

高校時代、
サッカーがうまくなりたいために、
毎日のように
上り下りした階段。

何段あるのか。
数えようとしても
上がるまでには忘れてしまう
年齢になりました。

おみくじは末吉。
わるくない。
大吉より、
よかれと思える年齢にもなった。

今年の元旦のいわき地方は、
穏やかな晴天に恵まれました。

津波の跡はまだ生々しいけれど、
美しい海だ。

本年もよろしくお願い致します。

大晦日

Posted in ブログ on 12月 31st, 2012 by ichiro – Be the first to comment

イルミネーションといえば表参道かディズニーランドか。
いえいえ、いわき駅前も今年はライトアップされているのです!

原発事故により立ち入り禁止区域とされた
夜ノ森駅前の桜並木を再現しようと、
今年は真冬のさくら祭りが、
いわき駅前を中心に催されています。

私も毎夜仕事の帰りに、
この道を通り、
なんか、
やっぱり、
悪くないです。
ちょぴりだけど、
うきうきします。
ありがたいです。

ありがたい繋がりでもう大晦日ですね。
今年仕事帰り一番世話になった居酒屋さんに貼ってあったのも夜ノ森の桜並木でした。
マスターは、地元で回転寿司店をしていたそうですが、
やはり原発事故で避難を余儀なくされ、
このいわきの地にて、居酒屋をオープンしてくれた。
おかげで今年は、本当においしい焼き鳥をいただきました。
ありがとうございます。
重い疲れが飛びました。

そしてこの焼き鳥の飛びぬけた旨さが、
避難先に勤めた店で、
習得した努力の賜物というから頭が下がる。
不屈の精神にも、乾杯です。
いつか本物のさくら並木の下で、
思いっきり叫ぶことができますように。
「乾杯!」

うむい宮古島

Posted in ブログ on 12月 16th, 2012 by ichiro – 1 Comment

宮古島の有志が福島の子供たちを宮古島に招待しようと、
チームを組んで来年のカレンダーを作っている。
「うむい宮古島」
笑顔カレンダーだ。
島のひとたちのとびっきりの笑顔と
熱い「うむい(思い)」が込められたカレンダーが、
宮古島を中心に発売されている。

島在住でカメラマンの友人が、
チームのメンバーを連れ、
いわきまで訪れてくれたのが、確か
10月の末。
彼らの真剣な「うむい」をお聞きし、
あつい中年パワーにうれしくなった。

できあがったカレンダーは、
手作りのぬくもりに溢れている。
福島のはるか彼方の南国で、
私たちのことを思い、
動いている人がいるということだ。

福島と沖縄は負の側面だけでなく、
意外な共通点も多く、
特にいわきの「じゃんがら」がエイサーの起源であるという話など、
不思議な結びつきを感じるのは私だけではないだろう。

この夏、私も微力ながら、
大好きな沖縄の地にて、
この結びつきについて、話をさせていただいたことを思い出す。
基地問題と原子力の問題。
簡単ではないが、沖縄と福島が、ちからを合わせることができればありがたい。

それにしても、この宮古島の写真は今日のものであるらしいが、
気温25℃とある。
なんとうらやましい。
まあ今日のいわきは比較的暖かく、
私も休日、最大の娯楽である、
日帰り温泉に入ってきたから、身も心も暖かいが。

いずれまた「うむい宮古島」のメンバーや宮古の子供たちが訪れてくれたら、
今度は、この寒い中入る温泉の醍醐味を紹介しよう。
熱い湯のなか、熱い「うむい(思い)」を分かち合おう。